乳がん検診の受信を呼びかけるピンクリボンデザイン大賞の受賞作品を巡って炎上騒動が起こっています。女性にとっては大きな問題である乳がんをくじ引きに見立てたポスターがその原因でした。
この炎上は徐々に大きな問題となっており、製作者にまで批判の声があがる問題に。グーグルを見てると「炎上製作者」というワードまで出現していました。
今回炎上騒動にまで発展してしまった乳がんポスターとその製作者について見ていきましょう。
乳がんポスターの製作者は西畑郁美さんで女性
第17回ピンクリボンデザイン大賞ポスター部門グランプリ作を受賞した製作者は大阪府に在住の西畑郁美さんという女性です。
乳がんは女性にとっては非常にデリケートな問題で毎年9万人もの方がかかる病気です。ところが早期発見が可能なら約9割が完治する為、乳がん検診はとても大事な検査。
そんな検査をより広める為に行われているのがピンクリボンフェスティバルでした。
そして、第17回の受賞者が2021年10月に発表され、製作者である西畑郁美さんがグランプリを獲得しました。
- 「まさか、私が」がという言葉を身近なイメージや経験と結び付けたかった
- 何気なく参加した商店街の福引で当たりが出た時の「まさか」という情景を思い描いた
- なんでもない日常に「まさか」が隠れているかもしれないことを伝えたかった
- 多くの人が乳がん検診を意識するきっけかになればと願っている
この様な意図で福引とと乳がん検診を結び付けたポスターを制作した西畑郁美さん。しかし、今回制作したポスターは炎上騒動に発展してしまいました。
乳がんポスターが炎上した経緯
第17回ピンクリボンフェスティバルの受賞作が発表されたのは2021年10月の約4か月前なのですが、どうして今になって炎上騒動に発展したのか?
ピンクリボンフェスティバルポスター部門のグランプリ作は交通広告などで使用されるのがその理由でしょう。もしかしたら電車やバスなどでこのポスターを実際に見たという人もいるかもしれないですね。
多くの人の目にポスターが触れる事となり2022年2月中旬から「腹立たしくなった」「当事者の気持ちを考えていない」などSNSを中心に話題になりました。
福引は当たって嬉しい物だが乳がんは決して当たりたくはない病気。このギャップにたくさんの人が反応したんでしょう。「乳がんに当たっておめでとう」と捉えた人も多かったようで、腹立たしくなり怒りを覚えたのは当然でしょう。
乳がんポスターの製作者を擁護する声も
今回の件、確かに製作者炎上というワードが登場していますが、製作者の方を擁護する声もツイッターには投稿されています。
製作者の方はあくまで検診を啓発するための表現で、実際に乳がんになった人を軽視する意図は無かったと捉えているようですね。他にも、表現する事は自由だと考えている方もいらっしゃいました。
乳がんポスター炎上の原因は審査員
今回の騒動は製作者ではなく審査員に問題があると取られている人はかなり多いようです。
製作者の方は乳がん検診の普及だったんでしょう。しかし、審査員の意図はどうだったのか?今回の審査員のメンバーを見てみるとコピーライターやクリエイティブ関連の仕事に従事している方たちばかりです。
あくまでデザインの出来栄えを重要視して選出した可能性は否定できません。また、審査過程には患者による審査も設けているようなのですが、過程は非公開だと公表している事にも怪しさを感じます。
「本当に患者が審査しているの?」「もしかしたらそんな工程が無いのでは?」
そう考える人たちがいてもおかしくないでしょう。
今回の炎上騒動があまりにも注目されたためか、ピンクリボンフェスティバルを開催している日本対がん協会からは謝罪文が公表されました。
炎上によって乳がん検診に注目が集まっている事を考えるとある意味では普及に成功してたとも捉えられるのでしょうが、気分が悪い結果となっていますね。
乳がんポスター炎上で過去の作品にも注目が
第17回ピンクリボンフェスティバルの炎上騒動で過去に受賞した作品にも注目が集まってしまいました。
- 女性は、なんでもデキル。仕事もデキル。恋もデキル。遊びもデキル。育児もデキル。乳がんもデキル
- おまえひとりの、おっぱいじゃないんだぞ
- 僕の健康は、母の健康で成り立っている
- 午前中、空いてるじゃない 行きなさいよ、乳がん検診
見返してみると女性が怒りを覚えるような文面が多い印象です。
第7回に受賞した「女性は、なんでもデキル。仕事もデキル。恋もデキル。遊びもデキル。育児もデキル。乳がんもデキル」は「女性は節操が無い」と捉えられそうです。
製作者の方は社会的な女性の地位向上も一緒に表現したのかもしれませんが、全く違う印象を植え付ける可能性が非常に高いでしょう。
乳がんポスターの審査員に医療関係者や患者が必須
先ほど少し触れましたがピンクリボンフェスティバルの審査には患者による選考もあります。しかし、審査過程は非公開となっている事から詳細は不明で怪しさを感じている人はたくさんいるのではないでしょうか?
また、最終審査員のメンバーに乳がん経験者や医療関係者がいない事も問題でしょう。
この様な事態を避ける為にはお名前が公表される最終審査メンバーに患者、もしくは医療関係者を選出する必要があるのではないでしょうか?
一般の人が最終審査員に名を連ねるのは難しいでしょうが、乳がんを経験し克服した著名人をメンバーに選ぶ事は可能でしょう。
デリケートなお話なので実際に経験・克服した方たちは全く違う意見として重要ですし、その方が社会的に影響力がある方だとしたらなおさら高い効果が期待され、乳がん検診の普及に繋がるはずです。
来年以降のピンクリボンフェスティバルが良い意味で乳がん検診に貢献する事に期待したいです。